日本の城で本格的な石垣が使われ始めたのは戦国時代前期〜中期(16世紀前半)で、最初期の代表例として最も有力視されているのが近江国・観音寺城(滋賀県近江八幡市)である。
石垣使用の始まり
1. 古代:7世紀後半(飛鳥〜奈良時代)
– 大野城・金田城などの古代山城で、朝鮮半島系の技術により高度な石積みが導入。  
– ただし、これらは軍事施設としての山城であり、後の武家の城郭とは系譜が断絶。  
2. 中世:平安〜室町時代
– 武士の城は基本的に土の城(土塁・堀・切岸)で、石はあくまで土留め程度の補助的利用。  
– 本格的な石垣はほぼ見られない。  
3. 戦国時代前期〜中期(16世紀前半):石垣の本格導入
    最初期の本格的石垣:観音寺城(近江国・六角氏)
– 16世紀前半にはすでに本格的な石垣が導入されていたとされる。  
– 特に観音寺城の石垣は、矢穴技法(石を人工的に割る技術)を用いた先進的なものとして注目される。  
– 寺院石工の技術を取り入れたと考えられ、後の近世城郭石垣の原型に近い。  
4. 近世城郭の決定版:安土城(1576年〜)
– 織田信長の安土城は、石垣・天守・瓦葺きという近世城郭のスタイルを確立した城。  
– ただし、石垣そのものは安土城以前から存在しており、観音寺城などが先行例。  
まとめ:最初に石垣を使った城は?

時代 石垣の性質
7世紀後半 大野城・金田城 古代山城の石積み
(武家城郭とは別系統)
中世 各地の山城 土留め程度の石組み
16世紀前半(戦国) 観音寺城(六角氏) 本格的な石垣の最初期例として
最有力
1576年〜 安土城(信長) 近世城郭の石垣を完成させた象徴的存在
– 観音寺城の石垣は、寺院石工の技術(矢穴技法)を取り入れた点が革新的。  
– 近世城郭の石垣は、16世紀後半〜17世紀前半の短期間で急速に発展。  
– 石垣の発展は、鉄砲の普及・天守の高層化・権威の視覚化など複合要因による。