初回は、天守についての見方・楽しみ方について述べたが、今回は、縄張りについてである。なんだか少し物騒な言葉に聞こえるかもしれないが、ここで言う縄張りは、普段使う意味とは別の意味があるようだ。
2.縄張り
縄張りとは、ずばり城の設計のことを言う。本丸や、二の丸などの曲輪、櫓や門などの施設をどこに配置し、堀や石垣、土塁などをどのように巡らすか、山や川、谷などの地形をどう利用するかなど城のレイアウト全般をさしている。軍事施設としての城をいかにして難攻不落なものにするかが問われる。
まずは、城についての説明には使われる専門用語を簡単に紹介しておこう。
| 城用語 | |
| 縄張り | 城の設計(レイアウト)のこと |
| 曲輪 | 城の中で平坦にならされた場所 |
| 虎口 | 曲輪に設ける出入口 |
| 本丸、二の丸 | 石垣や土塁で囲まれた防衛拠点 |
| 櫓 | 武器倉庫。矢の倉。城門や城壁の上につくった一段高い建物。敵状の偵察や射撃のための高楼。 |
| 狭間 | 天守、櫓、土塀の壁面や石垣にある敵を攻撃するための小さな穴(小窓) |
曲輪とは、城の中で平坦にならされた場所のこと。周囲を石垣や土塁で囲んで防衛拠点としている。時代が進んで、これを本丸や二の丸など「丸」と呼ばれるようになった。曲輪の配置には、主要な三つのパターンがある。
| 曲輪の配置 | |
| 連郭式 | 本丸、二の丸などを一列に並べたもの。山の尾根などに築かれることが多く、一般に本丸は奥の方に置かれる。 |
| 梯郭式 | 山や川を背後にして本丸を置き、残る3正面に対する防御のために夫々曲輪を設けて本丸を守る。 |
| 輪郭式 | 本丸を中央に置いて二の丸で囲み、それをさらに三の丸で囲む。この配置は、平地に築かれることが多い。 |
虎口
虎口には、敵に侵入されにくいように、また、攻め寄せる敵に反撃しやすいような様々な工夫が施されている。
食違虎口
出入口に繋がる石垣や土塁を折り曲げたりずらしたりする。敵は直線的に進めず足止めされ、守る側は敵の側面など複数方向から矢や鉄砲を撃ちかけられる。
枡形虎口
石垣や土塁で囲んだ四角いスペース(枡形)の一辺に一つ目の門を設け、その門を入るとさらに左右のどちらかに門がある。枡形の中に敵を集めて四方から撃ちかける。
狭間・石落
天守や櫓、石垣上に設けられた壁などには、三角や四角に開いた小窓がたくさんあり、そこから矢や鉄砲を撃ちかけやすいように工夫が施されている。これを狭間という。さらに、天守や櫓の床部分に出窓のようなものがあり、石垣をよじ登ってくる敵の頭上にそこから石を落とせるようにもなっている。
このような城の縄張り(設計)の意図を目の当たりにして堪能できる城としておすすめは、松山城がある。
現存天守であると同時に櫓などがよく復元されていて、設計の意図がつかみやすい。本丸内には櫓や門が複雑に配置され、天守が見えてもなかなかたどり着けない。進むと行き止まりになって「袋のネズミ」になるおとりの道や、突き進むと奇襲にあう隠れ門もある。












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