被熱石垣」とは、過去の戦争や火災などによって激しい熱を受け、石材が変色、ひび割れ、剥離(表面が剥がれ落ちる)などの劣化を起こした石垣のこと。

特に名古屋城の天守台石垣では、空襲による被熱で石材の損傷が著しく、崩落を防ぐための調査や修復が行われている。

被熱石垣の特徴
表面の劣化:  熱によって石がもろくなり、円状に剥がれ落ちたり(剥落)、割れが生じたりする。
変色:  赤白く変色するなどの熱による変色が見られる。
被害の範囲:  特に角石(隅石)や、火災の熱が直接当たる面で顕著に認められる。
代表的な被熱石垣の事例
名古屋城
(愛知県):
 
戦災で特に大天守台やその周辺の多くの面で被熱劣化が確認されている。
金沢城
(石川県):
 
明治14年(1871)の火災による被熱痕が橋爪門続櫓台石垣などに残り、添柱(そえはしら)の痕跡も確認されている。
加納城
(岐阜県):
 
二の丸石垣の前の堀から、2次的な被熱を受けた瓦が出土している。
広島城
(広島県):
 
原爆等の影響による被熱が想定される石垣の調査が行われている。
被熱した石垣は内部までダメージが及んでいることがあり、解体修理によって逆にダメージが広がる可能性があるため、保存修復には高度な技術と調査が必要となる。